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HOUSE IN HIGASHIYAMA-CHO
板橋東山町の家
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大手ハウスメーカーによる低価格、工期短縮、大量生産を目的として高度にシステム化された構法による築二十年の住宅のリノベーションである。その構法はボックスラーメン鉄骨構造と呼ばれ、2,400×4,700×2,700直方体ユニットを上下左右に連結したもので耐震性能に優れ、筋交いが必要無いためプランニングの自由度も高い。それにも関わらず、大手メーカーによる既存の間取りは、ボックスラーメン鉄骨構造の特性を活かす事なく、そのグリッドに支配され柔軟性に欠けていた。
そこで、施主のライフスタイルにマッチさせるべく、構造壁が不要な構造特性を活かしつつ構造グリッドを無視することで、自由な間取りにリノベーションすることにした。結果、厳格な構造グリッドは室内に露出し、むしろ凛とした雰囲気すら漂わせる。四つのボックスの結合部分は、四本の柱の集合体として現れている。この自由ではあるが静態的なプランに、さらに施主の将来にわたる家族構成の変化を見据えた壁の撤去可能性等フレキシビリティーを与えることで、動態的プランとした。日本の住宅がスクラップアンドビルドを繰り返す原因の多くは老朽化ではなく、変化するライフスタイルとのミスマッチなのである。
板橋東山町の家- 所在地:東京都板橋区
- 建物用途:住宅
- 構造規模:鉄骨造2階
- 建築面積:73.49㎡
- 延床面積:154.60㎡
- 竣工:2017/10